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AI活用戦略

生成AIとは何か。はじめて使う人が知っておきたい、できることと任せ方

生成AIが文章を作れることと、その内容をそのまま使ってよいことを分け、自分で確かめられる小さな仕事から始める。

人と生成AIのやり取りを表す二つの吹き出しと、下書きを確認するチェックマーク

記事本文

「生成AIを使うと仕事が楽になる」と聞いても、いざ画面を開くと、何を入力すればよいか分からない。試しに質問してみたものの、返ってきた答えを読んで終わってしまう。そんな人もいるのではないでしょうか。 一方で、毎日の仕事には、少し手伝ってもらえるとうれしい作業があるはずです。お知らせの書き出しを考える、長い説明から大事な点を拾う、企画の候補をいくつか出す。一つひとつは難しくなくても、白紙から始めるには時間がかかるかもしれません。 生成AIは、こうした作業の案や下書きを作るときにも使える技術です。ただ、自然な文章が返ることと、その内容をそのまま使ってよいことは別の話。この違いを押さえると、最初に何を任せればよいかも選びやすくなるでしょう。 この記事では、ChatGPTを例に、生成AIの基本と使い方を説明します。専門用語を覚えるよりも、「自分の作業のどこを手伝ってもらうか」を想像しながら読んでみてください。

AI・生成AI・ChatGPTの違いを整理する

AIは、文章や画像を認識したり、予測や判断を支援したりする技術の総称です。その中で、学習したパターンを基に文章、画像、音声などの内容を作るものを、生成AIと呼びます。 たとえば、「来客向けの案内文を作って」と頼めば文章を、「雨の日の街を描いて」と頼めば画像を作る。どの種類を作れるかは、使うサービスや機能によって異なります。 ChatGPTは、そうしたAIの機能を会話形式で使える、OpenAIのサービスです。生成AIという技術全体の名前と、ChatGPTというサービスの名前を分けておきましょう。ChatGPTとモデルの仕組み

言葉 何を指すか
AI 認識、予測、生成などに使われる技術の総称
生成AI 文章や画像などの内容を作るAI
ChatGPT AIの機能を会話などで利用できるサービス

まずは、この関係が分かれば十分でしょう。モデル名や細かな設定を、最初からすべて覚える必要はありません。

文章のほかにも、画像や音声を扱える

ChatGPTでは、文章の下書きや要約、翻訳、アイデア出しに加え、画像の生成や音声での会話なども提供されています。利用できる機能は、プランや設定によって変わる点を押さえておいてください。ChatGPTの機能一覧 「何でもできそう」と考えると、かえって使い始めに迷うかもしれません。最初は、普段自分が扱っている文章を一つ選ぶところから始めてみましょう。よい結果かどうかを、自分の経験で判断しやすいためです。

なぜ自然な文章を書けるのか。そして、なぜ間違えるのか

多くの情報から、言葉の関係を学んでいる

文章を生成するAIの基礎には、大量の文章などから言葉や表現の関係を学ぶ仕組みがあります。文章を扱うこうしたモデルは、大規模言語モデル、略してLLMと呼ばれます。「モデル」は、学習したことを使って入力を処理する仕組み、と考えてください。 OpenAIは、ChatGPTのモデルが文脈に続く言葉を予測しながら回答を作ると説明しています。実際には、単語や単語の一部などの小さな単位を使う仕組みです。これは文章生成の基礎の説明で、ChatGPTに備わるすべての機能を説明したものではありません。モデルの学習と文章生成 この性質を、お知らせの作成に引き寄せてみましょう。同じ内容でも、取引先向けなら丁寧な文に、社内向けなら短く読みやすい文に整えたい。こうした表現の候補を作ってもらう使い方が考えられるでしょう。

読みやすい文章でも、事実の確認が済んでいるとは限らない

ただし、文章を組み立てられるからといって、書かれた日付や数字が正しいとは限りません。OpenAIも、ChatGPTが誤った情報や存在しない出典を、自信があるような語調で返すことがあると説明しています。もっともらしい誤情報を生成する現象は、ハルシネーションと呼ばれます。回答の正確さに関する説明 たとえば、開催日時を渡さずにイベントの案内を作ってもらった場合を考えてみてください。文章の形が整っていても、そこに書かれた日時が実際の予定と一致する根拠はない。日時を含めた案内文ができたことと、開催日時が確かめられたことは区別する必要があるでしょう。 ここから、使い方の目安が一つ見えてきます。表現や構成の案を作ってもらい、日付・数字・固有名詞は材料と照らし合わせる。 この分担なら、生成AIの助けを受けながら、確認すべき点も見失いにくくなるはずです。

最初は、三つの使い方から選んでみる

作る:白紙から始める負担を軽くする

お知らせ、メール、説明資料の見出しなど、最初の案を作ってもらう使い方です。「社内向けの短い案内」「初めて読む人向けの説明」と、用途を添えてみてください。 完成品を一度で得ようとせず、まず直せる案を手元に置く。書き出しで止まっていた作業なら、そこから自分の言葉へ直していけるでしょう。

整える:手元の材料を読みやすくする

箇条書きを文章にする、長い文を短くする、難しい説明を平易に言い換える。すでに材料があるときにも使ってみましょう。 この場合は、元の材料と見比べられるのが利点です。ただ、短くする過程で必要な条件が抜ける可能性は残るため、「短くなったか」に加えて「残したい内容が残ったか」も確認してください。

広げる:自分だけでは出しにくい候補を増やす

勉強会のテーマや企画の切り口を、複数出してもらう使い方もあるでしょう。「新入社員向け」「30分で扱える内容」など、候補を選ぶ条件も添えると検討しやすくなるはずです。 候補が出たあとは、実際の参加者や準備できる範囲に合うものを選んでみてください。案の数が増えることと、自分の職場で実行できることは同じではありません。 これらの使い方は、ChatGPTの公式案内にもある下書き、書き換え、要約、発想支援を、日常の作業に当てはめたものです。利用できる作業の例

調べたいときは、生成と検索の役割を分ける

使い始めると、「文章を作るだけでなく、情報を調べることも頼めるのか」と気になるのではないでしょうか。 ChatGPTには、Web検索を使って情報を探し、出典を付けて回答する機能もあります。そのため、検索と生成AIを、どちらか一方しか使えないものと考える必要はありません。検索を含むChatGPTの機能 ただ、回答が表示されたというだけでは、実際にどの資料を使ったかまでは分からないでしょう。「今年の申込期限を調べたい」なら、参照した公式ページを開き、年度と期限を確認してみてください。「その情報を基に案内文を作りたい」なら、確認した期限を材料として渡す。 こうして、情報を確かめる工程と、伝わる形にする工程を分けると、どこで誤りが入り得るかを見つけやすくなります。出典付きの回答でも、リンク先の内容と一致するかを確かめることが大切です。重要な情報と出典の確認

実際に頼んでみる。短い社内案内を作る例

最初の入力:用途・材料・仕上がりを伝える

AIに渡す質問や指示などの入力を、プロンプトと呼びます。特別な命令文である必要はなく、普段の言葉で頼んで構いません。OpenAIのガイドも、依頼を具体的にし、必要な背景を添える方法を勧めています。プロンプトの基本 まずは、次の架空の材料で試してみましょう。実在の社員や顧客の情報を用意する必要はありません。

社内の勉強会について、短い案内文を作ってください。
初めて参加する人にも分かる、親しみやすい文章にしてください。

材料:
・内容:仕事で使える表計算の基本
・日時:水曜日の15時から15時30分
・場所:会議室A
・参加は任意
・持ち物:ノートPC
・申込方法:まだ決まっていない

仕上がり:
・件名と、200字以内の本文
・材料にない事実は追加しない
・申込方法は「決まり次第お知らせします」と書く

この依頼では、誰に何を伝えるのか、使える材料は何か、どんな形でほしいかを指定しました。申込方法が未定であることも、隠さず材料に含めた形です。 ここを明記する理由は、空欄をもっともらしい情報で埋めてもらう必要がないから。完成した文章でも、未定のことは未定のまま伝えられるでしょう。

返事の確認:文章の調子と、事実の一致を別々に見る

返ってきたら、まず、初めて参加する人に伝わる文章かを読んでみてください。そのあとで、日時、場所、任意参加、持ち物、申込方法を材料と照合しましょう。 親しみやすい文章でも、「全員参加」と書かれていたら、そのまま使えません。反対に、事実は合っていても、必要以上に堅い文章なら、語調を直してもらえばよいでしょう。 このように分けると、次に何を頼めばよいかも具体的になるはずです。

日時と場所などの事実は変えずに、冒頭をもう少し親しみやすくしてください。参加が任意であることは残してください。 一度で完成しなくても、失敗とは限りません。出力を見て、足りない条件を伝え直す使い方も、公式ガイドで紹介されています。回答を見ながら指示を改善する方法

最初に選びたいのは、自分で確かめられる小さな仕事

生成AIを仕事に使う入口としては、下書きを作り、自分で確認して直せる作業を選んでみてください。たとえば、手元に材料がある短い案内文なら、内容が合っているかを判断しやすいでしょう。 実際の社内情報を入力する際は、会社で利用を認められたサービスと、入力できる情報の範囲を先に確認してください。まだ分からなければ、今回のような架空の材料でも使い方を試せます。 試したあとには、「文章ができたか」だけでなく、自分の作業全体を振り返ってみましょう。書き出しは楽になったか、確認や修正にどれくらい手間がかかったか、次も同じ方法を使いたいか。まずは一つの作業で、その感触を確かめてみてください。 生成AIに何を任せるかは、できる機能の数だけでは決まりません。自分が渡せる材料と、返ってきたものを確認する方法がそろうと、使いどころを選びやすくなるでしょう。 まずは「短い案を一つ作ってもらい、材料と見比べて直す」を試してみてください。その一往復が、生成AIを自分の仕事で使うための最初の経験になるはずです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考資料

Prompthing編集部Field Notes 編集部

生成AIを現場の業務へ組み込み、継続的に改善するための設計・運用ノウハウを発信しています。

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